ポール・ボノー(1918〜1995/仏)といえば、サックスでは『ワルツの形式によるカプリス』という無伴奏の曲が広く愛奏されていて、私も大好きな一曲です。
この曲、吹き手には難曲ですが、聴き手には、華やかで、軽やかで、優雅で(演奏次第なのですが。。)ワァ〜と心躍る楽しい曲です。
ということで、ボノーには好意を持っていたのですが、あるCDで、『ジャズのエスプリによる小協奏曲』という曲があると知り、いつか演奏してみたいと思っていました。
ジャズ風というタイトルですが、どんな感じかと云うと、ガーシュインの『パリのアメリカ人』ぐらい!?ジャズ風です。
余談ですが、ボノーもガーシュインに因んで『ニューヨークのフランス人』という管弦楽曲を書いています。茶目っ気のある曲で、(フランスの民謡や、アメリカの国歌が時々聴こえてきます)、活気のあるテーマと雄大なテーマが交互に現れて発展して行き、何故か最後に合唱が出てきてもの凄く豪華に終わります。という曲です。
*『Un Francais A New York』 演奏:Paris Light Symphonic Orchestra, 指揮:Paul Bonneau iTunesと検索すると、90秒試聴できます♪
ボノーは、パリ国立音楽院に在学中(1937〜1945)マルセル・ミュールにサックスを習っていた事もあったそうです。マルセル・ミュールが、インタビューでこんな風に言っていました。
「ボノーは暫くの間、私についてサクソフォンを勉強していたのだけど、それは特に、彼が軍楽隊の仕事をしないといけなくて(1939〜1945)、バンドの楽器に十分通じておくためだったんだ。彼は才能ある男で、6ヶ月の間にサクソフォン奏者として恥ずかしくない程になったよ。彼は軍楽隊の副指揮者になったけれど、そこにはそんなに長くいなかったね。」(E.ルソー著、『マルセルミュール:その生涯とサクソフォン』より)
ボノーは1944年から、30年間ラジオ・フランスの軽音楽部門(Paris Light Symphonic Orchestra)の指揮をし、名指揮者としても名高かったそうです。『ジャズのエスプリによる小協奏曲』や、他のアルト・サックスの曲『組曲』『協奏曲』は、3曲ともこの時期1944年に、『ワルツの形式によるカプリス』は1950年に作曲されています。
さて今回、一緒に演奏する谷祐子さんは、ピアノ科時代は同門、大学院のサックス科時代では伴奏をして貰っていた大切な友人で、久々の共演に今からテンションがあがっています。
恒例の『ベルの会』のコンサートでも、演奏しようと思っていますので、もしご興味のある方いやっしゃいましたら、こちらにお越し下さい!
『ベルの会』のコンサート
2012.3.16(金)18:00頃 開演
(詳細まだ未定ですので決まり次第HPでお知らせします)
純音楽茶房『ムシカ』
*このコンサート趣旨は『ベルの会』会員の研究発表の場で、特に集客をするコンサートではないのですが、興味のある方には自由に聴いていただいています。入場料は要りません。(喫茶店ですので宜しければ飲み物注文して下さい♪)