2013年1月16日水曜日

加藤和也サクソフォン・リサイタル「vivid monologues 鮮やかな独白」


先週の土曜日、加藤和也君のサクソフォン・リサイタル「vivid monologues 鮮やかな独白」を聴きに行きました。


加藤君は、2008年にエリザベト音楽大学を卒業後、デンマークで研鑽を積み、一昨年広島に帰国したばかりです。デンマークでどんな風に影響を受け成長したのか、そして全曲現代曲でサックス独奏という大変なコンサートの内容を、とても期待し楽しみにしていました。



現代曲ばかりの管楽器独奏サイタルを広島で聴いたのは、6~7年前にサックス奏者の齋藤貴志氏が西区民文化センターのスタジオでされた時以来です。その時は本当に素晴らしく説得力のある演奏に感銘を受けたのですが、地元の方ではないのもあって観客がホールに10名弱ぐらいしか居なくて、もったいなくて気の毒でいたたまれない思いをしたのを覚えています。



それから10年ぐらい前に、同じくエリザベト音大を卒業後、パリで研鑽を積んできたチューバ奏者の橋本晋哉氏が、ピアノとのデュエットもありましたが、現代曲ばかりでほぼ独奏のリサイタルがあり、これもまた素晴らしくて、しかもチューバですので驚きもあって良いコンサートだったのを鮮明に覚えています。彼は、現在東京で大活躍中です。



そして、先日のコンサート。ここ広島でも、加藤君世代の音大生はヨーロッパのコンクールにも積極的に受けに行きますし、学生時代からコンクールの課題曲である現代曲を勉強してきているので、『超絶技巧』『難解』という面を持つ、現代音楽に対する抵抗や気負いもなく、ごく普通にレパートリーになっていることに、広島にもやっとこういう時代がきたのだなあと感慨深いものがありました。


更にいいなあと思ったのは、観客の半分はサックスもクラシック音楽もあんまり知らないけれど、『なんかカッコイイ感じがして興味があって来てみました』という感じの、若い人たちが多くて、スゴイと思いました。



実際、演奏もコンセプトもプログラミングの内容もレヴェルが高く、しかも本人が『良い曲だから是非聴いて欲しい!』という気持ちが全面に出ていて、聴く側も、全体を通じて心地良い雰囲気に浸り、興味深く楽しむ事ができました。



これこそ、加藤君がデンマークで学んで来た事なのだなあと、とても共感のできるコンサートでした。



それから曲間では曲の話しをしながら進み、休憩時間と終演後は、シテージで全曲楽譜を公開してくれたので、興味あるお客さんはシテージにあがってマジマジと楽譜を眺めて奏者に質問をしたり、こういう面でも素晴らしかったです。



このコンサートはシリーズで続けていくそうで、次回は3/2(土)19:00~エリザベト音大のザビエルホールで開催予定だそうです。

FLUFFY FRAGMENTS
ふわふわのかけら
 今回のテーマはふわふわのかけら。
 一つ一つに鋭い思いを込めて。
 そんなかけらを集めて、みなさまにふわふわな空間をお届けします。

works by
・エリオット カーター
・ ジョン コリリアーノ
・エディソン デニソフ  and more...

出演者
・加藤和也:サクソフォン
・伊藤憲孝:ピアノ
・田尻健:テノール

会場
・エリザベト音楽大学 ザビエルホール

日時
・2013年3月2日 (土)
 open 18:30 start 19:00

チケット
・前売券 ¥2.000
・当日券 ¥2.500
・高校生以下 ¥1.500



詳しくは、加藤君のホームページからお問い合わせ下さい。
http://kazuya-saxo.wix.com/kazuya