最近、フランスの作曲家 Florent Schmitt(フロラン・シュミット)[1870~1958] の アルト・サクソフォンとオーケストラのための「伝説 op66」と「サクソフォン四重奏曲 op102」の楽譜を読んでいます。
この読譜はコンサートで演奏するためでなく、ただ曲を理解したいという目的なのです。
つまり正直に言うと、自分はこれらの曲を過去に演奏はした事があるけれど、まだはっきり確信を持った解釈が出来ていないのです。とほほ。。
この2曲はクラシカル・サクソフォーンのレパートリーの中でも名曲なだけに、CDも沢山出ているし、コンサートで聴く機会も時々あります。
「伝説」という曲は、大金持ちのアメリカ人のエリザ・ホールという女性が、チフス熱で聴力が弱まるという病気にかかった時、医者の夫からのアドヴァイスでサクソフォンを吹き始め、その後、彼女が当時のフランスの人気作曲家達にサクソフォーンのための作品を委嘱しまくり、生まれた作品の一曲です。その委嘱作品は全部で22曲もあるそうです。
クロード・ドゥラングル氏(Saxophoniste) の、「A Saxophon For A Lady」というアルバムのジャケットで、ホール夫人の委嘱作品が収められています。このジャケットの方が、そのホール夫人です!
それにしても、アマチュア・サクソフォン奏者の為に書かれたにしては、難しい。。。。
2008年に、ピアニストの井上二葉先生(大学時代の心の恩師)のピアノリサイタルがあって、その時のタイトルが「没後50年を迎えるフロラン・シュミットをめぐって」というものでした。シュミットのピアノ曲を初めて沢山聴いて、どの曲もキラキラと輝きが散りばめられていて、なんて美しい良い曲ばかりなんだろう!と思い、プログラムの構成も見事で、幸せ感に包まれた一生忘れられないコンサートでした。曲の難解さは全く感じませんでした。今思えばそれは、二葉先生の素晴らしい曲の解釈と演奏によるものだったのが改めてよくわかります!
そして、現実に戻ると。。。
シュミットの曲は、楽譜を見ると音が多くて、音の跳躍も大胆で、リズムも和声も入り組んでいて、構成もしっかりしていて、音楽を聴くと透明感、瑞々しさ、光の色彩、躍動感が第一印象で聴こえてくる音楽に思うのです。
つまり、演奏者が響きのバランス(音のコントラスト)や、音楽の流れを(テンポやアゴーギグ)理解していないと、ゴワゴワ、ゴツゴツ、複雑で難解で退屈な演奏になってしまうのです。解釈無しに楽譜通り演奏しても、全然形にならない音楽だと思います。
この「伝説」も「四重奏曲」も、私にはスコアを読むのに一苦労です。
「四重奏曲」に関しては、サックス吹きが普段使わない、ハ音記号(Altoはアルト記号、Tenorはテノール記号)でスコアが書かれているので、スコアが読みにくくて、ピアノで和音の響きを確認する事すら出来ない有様。
この曲を演奏したことのあるみなさんは、どうしているのでしょうか? ひたすら他のパートを覚えるまで、4人で練習する? それでは、そうとう、時間がかかりますよねえ。 でも、演奏解釈はスコアを読まないと出来ないし。。。みなさん、読んでおられるのでしょうねえ。つくづく自分は凡人です。
そこで、仕方ない!面倒だけど、スコアをト音記号とヘ音記号に楽譜を書き換えて読む事にしました。不器用なら不器用なりに、努力するしかないですね。。。(現在、書き換え中)
続きます。。。。。