フィル・ウッズ(1931~)は、ジャズサックス奏者の大御所であり、作曲家でもあります。彼の作品は格好よくて、私もサクソフォン・カルテットのための「3つの即興曲」や「ディア・ヘッド・スケッチ」アルト・サクソフォンとピアノのための「ソナタ」をこれまで愛奏してきました。
先日、楽譜のカタログを見ていたらA.SaxとPf.のための「The Children's Suite」という作品がって、興味津々で購入しました。今、一番音だしをしてみたい曲です。
この曲、1961年に作曲されたそうで、「くまのプーさん」の作者でもあるA.A.ミルンが書いた詩集 ”Now We Are Six "(邦題:クマのプーさんとぼく)に P.ウッズが感銘を受け、一気に書き上げた作品集なのだそうです。
曲はそれぞれ、フランス音楽のスタイルだったり、ジャズのスタイルだったり正にボーダレスです。この曲は、マルセル・ミュールやチャーリー・パーカーのようにクラシックとジャズのスタイルを吹き分ける必要はないし、ジャズの部分は、奏者のレヴェルに応じて自由に工夫してよいと、彼自身が、Performance Notes に書いています。
基本的に、ピアノパートはコード・ネームが書かれている部分も、音符もちゃんと書かれています。サックスパートは、コード・ネームだけ書かれているアドリブ部分が数カ所あります。
いずれも、好奇心に満ちた愛らしい曲集です。
Phill Woods The Children's Suite
1. Overture 序曲
2. Busy 忙しい
3. Down By The Pond 池のきしべで
4. Buttercup Days キンポウゲの日々
5. The Engineer エンジニア
6. The Emperor's Rhyme 皇帝陛下の詩
7. Forgiven ゆるしてあげるよ
8. Furry Bear 毛むくじゃらのクマ
9. A Knight In Shining Armor よろいをつけた騎士
10. Come Out With Me ぼくといっしょにきて
11. The Good Girl いい子
12. Twice Times 二をかけると
13. Solitude ひとりぼっち
14. Forgotten わすれられて
15. The Morning Walk 朝のさんぽ
16. The End おわりに
詩集「クマのプーさんとぼく」の日本語版も、古本だととても安く手に入ります!