一曲だけ、ボサ・ノヴァの「ジサフィナード」が入っています。
これは、強引ですがミヨーとブラジル繋がりで選んでみました。
単に、トム・ジョビンの曲が吹きたかった。。と告白します。
You Tube は、ボサ・ノヴァを生んだ二人の天才、ジョアン・ジルベルト(歌&ギター)と、トム・ジョビンことアントニオ・カルロス・ジョビン(ピアノ)の演奏です。
ジョアン・ジルベルトは、繊細で緻密な演奏で、CDを聴いていても本当にこのギターと歌は一人の人が演奏しているのだろうかと思う程完璧で、洗練された心地よいリズムを感じます。
でも、この映像の風貌と穏やかさとは裏腹に、ジルベルトの人生は波瀾万丈だったようです。
一方トム・ジョビンの演奏は聴くと優しく暖かい気持ちになります。
数々のヒット曲を世に残し、彼の存在は作曲家としてレノン=マッカートニーやガーシュインに匹敵すると言われていますが、大人しく真面目な皆に愛される性格のジョビンの人生は穏やかでした。
対照的な二人です。
「ジサフィナード Desafinado」は「調子っぱずれ(音痴)」という意味です。
ジルベルトのように完璧な音程で歌えないジョビンが、彼への思いを込めて作った曲なんだそうです。
ジザフィナード(調子っぱずれ)
恋人よ、私のことを音痴だなんて言うのね
その言葉がどんなに私を傷つけているか分かる?
あなたのような耳を持ってる人間なんて少数の天才だけよ
私には神様がくれたこの耳しかないの
私がやっていることを非音楽的と言いたいのなら
嘘でも反論しなくちゃいけません
これがボサ・ノヴァなんです
とっても自然なものなんです
あなたは知りもしないし、感じようともしない
調子っぱずれの人にも心を持っている事を
私のローライフレックスであなたの写真を撮ったら
あなたの大きな不実さが写っていましたよ
私の愛のことだけは、そんな風に言わないでね
この愛はあなたの見つけられる最良のものですから
あなたは音楽のことばかり言って基本を忘れてしまっているわ
調子っぱずれの胸の中には
胸の中で黙ってときめいている、
調子っぱずれの胸の中にも心がときめいていることを
ジルベルトとジョビンは1960年頃仲違いして、その後全く交流していなかった時期もあったとか。
この映像は年齢から見てもその後のものでしょうね。
仲直りしたのか、してないのか気になるところですが。。。
どちらにしても、二人が奏でてる音楽は素晴らしいです。