サクソフォーンが登場するオーケストラ曲で、最も有名な曲の1つがビゼー作曲「アルルの女」です。元はド-デの戯曲「アルルの女」のためにビゼーが作った劇附随音楽で、今ではその抜粋である2つの組曲が親しまれています。
さて、アルルの女のストーリーはと言うと・・・・
南仏プロヴァンス、アルルに近いカマルグ。
村の旧家の長男であるフレデリは20歳になる。
幼い時に父を亡くし、母親のローズと年老いた召使いのバルタザール、重度の知的障害を持つ弟の四人暮らし。
フレデリはある日、アルルの町の闘牛場で妖麗な美女と出会い激しい恋に堕ちる。
しかし、その女にはミチフチオという情夫がいることが分かってフレデリは彼女との結婚を諦めざるを得なくなる。
自分の盲目的な恋によって大切な家族に心配をかけたと感じたフレデリは村娘のヴィヴェットとの結婚を承諾し家族を安心させる。
しかし、ヴィヴェットとの結婚式の前日に彼は、アルルの女が例の情夫と駆け落ちをするという噂を耳にする。彼は、嫉妬に狂って暴れだし、錯乱状態になって養蚕場から身を投げて命を絶ってしまう。
というお話です。
元ヴィオラ奏者で、今は広島で後進の指導にあたっておられる、吉江澄夫先生から以前こん話しを伺いました。
「アルルの女」の第二組曲、「間奏曲」の有名なアルト・サクソフォーンの旋律は、アルル地方で歌われていた民謡で、「神の子羊」・・つまりイエス・キリストをたたえたものなのだそうです。
ビゼーはこのアルト・サックスを、主人公の知的障害を持つの弟を現したものとして作曲したのだそうです。
世にも美しいこのメロディーに例えられるこの弟は、心のきれいな青年なのでしょう。
今回は、ピアノとサックスで演奏します。