2011年9月8日木曜日

先日、文化学園大学の上田啓二先生の研究室で、サックス・クラスの学生達と、音楽&ビデオ鑑賞会がありました。



上田先生が、貴重なマルセル・ミュールのSPレコードを持って来て下さり、P.ヴェローヌの「アルトサクソフォンとハープ・チェレスタのためのラプソディ− op.92」から、まずは拝聴しました。




SPレコードは片面が約4分30秒の録音時間しかないので、上田先生が持ってこられた2枚のレコードは、1)A面 イベールの小協奏曲1楽章、B面 イベールの小協奏曲2楽章、2)A面 イベールの小協奏曲3楽章、B面 P.ヴェローヌ アルトサクソフォンとハープ・チェレスタのためのラプソディ− op.92 といった具合でした。先生は、粋なことに、全員にそのSPレコードを触らせて下さって、音楽と一緒にレコードの重さや厚みも印象に残りました♪




その演奏自体は、今ではCDに焼き直されていて、グリーンドア音楽出版社から発売されているのを持っているので、CDで聴いた事はあったものの、直接レコードから聴くと、音色がより柔らかで、鮮やかで、生き生きとしていて、ミュールがそこに居るような、すごく自然な感じです。



因みにヴェローヌはペンネームで本名はルソーといって、医学博士でもあったそうです。昔の人は、すごい! サックスの初期の重要な作品を書いた作曲家です。



他には、ポール・ブローディ(1934〜2007)というカナダの奏者が、ヘンデルのヴァイオリンソナタ3番の1楽章をアルト、2楽章をソプラニーノで演奏しているレコードを聴かせていただきました。自由な発想で面白いと思いました。




それから、鑑賞会のメイン!ドーシー兄弟を描いた1947年の映画「The Fabulous Dorseys(ファビュラス・ドーシーズ)」を観ました。事実とフィクションがミックスした伝記で、トミー・ドーシー(Tb.)ジミー・ドーシー(Sax)兄弟本人が役者として映画に出ていました。

ドーシー兄弟と、ミュールはほぼ同じ時代をアメリカとフランスで生きたミュージッシャンですけど、共通してまず音色とテクニックに圧倒されます。音楽も塊になって耳に飛び込んでくる感じがします。

この時代はまだ、クラシックとジャズのジャンルの境界線がはっきりしていなくて、ミュージシャンが、両方を極自然に演奏しているのが、とても印象的でした。



この映画、ストーリーには何のひねりもありませんが。。本人達が演奏している音楽を聴くだけで充分興味深かったです。



そう、この日2年生の佐藤くん(男子!)がみんなにガトーショコラを作ってきてくれて、ケーキを食べながらの鑑賞会でした。美味しかったですよ♪


上田先生、またお宝を拝聴させて下さい!